ji-iのんべえ爺さん自転車に乗る

ちょっと飲んでは走り、走っては飲む爺です....が、最近医者に止められて飲めなくなりました

黒川沿いの原生林を往く

楢原から十石峠に向かって走り始めると最初は北西方向に進み、突き当りの沢からは東へ向きを変える。

そのころから左手に妙義山が見え始める。と同時に巨大な朴の木が現れる。紅葉しているのが1968年に撮ったもの。

1968年に来た時に撮った 自転車が小さく見える

赤い車が写っているのが2009年のもの。

2009年に来たときのもの

最後の尾根を右に巻いて再び北西に向きを変え約600m進んだところが次の写真。

尾根道の右端に尖ったピークを持つカイト山(テントを張ったような山)が現れる。楢原で撮った写真に比べてだいぶ高度を稼いできたのが分かる。

左の方に槍ヶ岳に似た在りし日の叶山も見える。在りし日と書いたのは叶山は秩父太平洋セメントにより山頂部が削られ、もはやかつての山の姿を知る術がないからだ。

十石峠まであと2,5km

1968年秋にはあんなに眺望の良かった尾根伝いの道が2009年6月には鬱蒼とした広葉樹の林に変わっている。もちろん、撮った場所は全く同じ地点だ。

あらゆるものが55年という長い時の流れに風化され、変質して目の前を通り過ぎていく。

さすがにこうなるとカイト山は見えない

13時30分に十石峠に着く。

頂上で浜平鉱泉で作ってもらった握り飯を頬張る。大きなおにぎりが二つに漬物が少々というものであったが旨かった。

10月下旬の標高1351mの峠は冷える。上りで漕いでいる時は暑くてたまらなかったが昼食を摂り終わるころにはガタガタ震えがきた。

十石峠は何もない寂しい峠だった。頂上付近の紅葉は色褪せてしまっており、国有林を示す看板の文字だけが一面の枯草の中で場違いな白さを際立たせていた。

1968年の十石峠頂上

2009年の十石峠頂上の写真では国有林の看板の位置だけが変わらぬ場所に立っていた。

そう!国有林の看板は1968年の物と比べて造りがしっかりして文字は縦書きから横書きに変わっていた。

55年前、国有林の看板の近くで昼食を摂った