鷹が越える峠として有名な白樺峠
乗鞍岳の展望台から約2kmで白樺峠に着く。白樺峠と云う名前は鷹を見にくる人たちの間でつとに有名らしい。9月中旬ごろから見られ、多いときは一日に1000羽、1シーズンで10000~15000羽ほどのタカ類がこの峠を越えていくらしい。しかし今は一羽の鷹もいない。はるか彼方へ飛び去っていったのだろう。自転車を立て掛けている白樺にもたれてみた。樹液が吸い上げられていく音がかすかに背中に伝わってくる。剝がれかかった樹皮が風になびいて爺にさよならを告げている。白樺と別れるときがきたようだ。白樺とモミジの一期一会のおもてなしを心に刻み、旅愁を引きずりながら峠を後にした。
妙高高原から乗鞍一ノ瀬高原へ 完