寒さのあまり達成感を噛みしめるいとまもなく下り始めた
トンネルを出て日陰の固まった雪を避け枯草の上に胡坐をかき凍った握り飯をぱくつく。トンネルの東側はあたり一面うら寂しい景色だ。どこを見ても薄茶色、色数が乏しすぎる。せっかく遠くからこの峠にやってきたのにもう家に帰りたくなった。そう思うと居ても立っても居られない。峠に着いてからたった20分でそそくさと帰り支度を始めてしまった。9時10分、正面の加入道山の端正な姿を目蓋に焼き付け、V字型の道志谷に向かって道坂峠を後にした。
トンネルを出て日陰の固まった雪を避け枯草の上に胡坐をかき凍った握り飯をぱくつく。トンネルの東側はあたり一面うら寂しい景色だ。どこを見ても薄茶色、色数が乏しすぎる。せっかく遠くからこの峠にやってきたのにもう家に帰りたくなった。そう思うと居ても立っても居られない。峠に着いてからたった20分でそそくさと帰り支度を始めてしまった。9時10分、正面の加入道山の端正な姿を目蓋に焼き付け、V字型の道志谷に向かって道坂峠を後にした。