ji-iのんべえ爺さん自転車に乗る

ちょっと飲んでは走り、走っては飲む爺です....が、最近医者に止められて飲めなくなりました

銀杏よ お前も孤独だな

県道43号線はこの後、道幅も広くなり下りも丁度良い勾配で走りやすい。みんな思い思いのスピードで下っていく。取り残されて爺は一人ぼっちになってしまった。ふと過去の一人旅を思い出す。しんと静まり返った林の中の峠路をたった一人で下っていく。孤独感に苛まれて辛かった。神の原の川岸で同じように孤独な銀杏が目に付く。くるぶしまで埋まりそうな銀杏の落ち葉をかき分けて近づいてみた。昨日の大雨であらかた葉を落とされた銀杏が侘しげに佇んでいた。爺は銀杏の老木に耳を当て鼓動を聴いてみた。独り身を癒された銀杏は幹の中から「サラサラサラ...」と喜びの声を上げた。お別れするとき銀杏の木は一陣の風と共にハラハラと黄葉を降り注いでくれた。黄色い粉雪...、キラキラとそれは夢見るような美しさだった。

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侘しげな川岸の銀杏