ji-iのんべえ爺さん自転車に乗る

ちょっと飲んでは走り、走っては飲む爺です....が、最近医者に止められて飲めなくなりました

全世界が夕焼け色になったかのような見事なフィナーレだった

30分ほどしてようやく雪も止み灰色の雲の下から暖かい太陽が頬を撫でるようになる。逆光の中に見渡す限りのススキの群生だ。その穂波が無数の真珠のように銀色に鈍く光る。陽はだいぶ西に傾いて今にも南アルプスの稜線に姿を消そうとしている。振り返ると先程雪を降らせた厚い雲が茜色に輝き、モミジやカラマツやウルシの紅葉と相まって全世界が夕焼け色になったような気がする。右手には蓼科山が優美な姿を見せるようになり、そして霧ヶ峰の茫漠とした台地、さらに真っ白に雪をかぶる北アルプス、その眺めは旅の最後を飾るにふさわしい素晴らしいフィナーレであった。

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全世界が夕焼け色になった 麦草峠の下り